オフィスホワイトニングの手順

ホワイトング

現在、日本国内で使用できるオフィスホワイトニング剤は、主に以下のようなものがあります。

1:35%過酸化水素+触媒粉末+可視光線を使用するもの
2:3.5%過酸化水素+二酸化チタン触媒+380~420nm光線を使用するもの
3:22.5%相当の過酸化水素+二酸化チタン触媒+410nm光線をしようするもの
4:その他

今回は、これらの治療について具体的にどのような手順で行われるのかについてお話ししてゆこうと思います。

歯の確認

歯を視診して、以下のような点をチェックし、対処を行います。

・歯の亀裂
見えにくい亀裂がホワイトニングによって明瞭になることがあります。ホワイトニングによって亀裂が生じた訳ではないこと、ホワイトニング後に目立つ可能性があることを伝えておく必要があります。イルミネーターや光源を用いて各方向から光を当て、亀裂の存在・位置・大きさの確認を行います。必要に応じて患者に確認をしてもらいます。

・充填物の不備
大小に関係なく、充填物の適合状態を確認します。充填物と歯質の界面の接着が不良な場合には、知覚過敏などの不快症状が出やすくなる可能性があり、場合によっては先に再充填処置を行います。また、ホワイトニング後に充填物と歯質の色調の不調和が生じる可能性を伝えておく必要があります。

・根面露出、知覚過敏
知覚過敏がある場合は、その歯を避けて治療することも検討します。とくに歯頸部の象牙質の露出や根面露出が認められる時にはその部位に直接ホワイトニング剤が接触しないようにするか、場合によってはレジン修復用のボンディング剤などで被覆する必要があります・

歯面清掃

歯石・プラーク・色素沈着がないかを確認した上で、それらを除去してゆきます。メルサージュなどの歯面研磨材をブラシコーンにつけて、低速で歯面清掃を行います。隣接面や叢生部などの細部に汚れが残る場合にはクイックジェットやエアーフローなどで除去します。これらの作業は生活歯におけるホワイトニング治療の重要な前処理となります。

色調の確認・記録

シェードガイドを用いて視感比色を行い、口腔内写真撮影をして記録しておきます。場合によっては測色器などを用いて色調の計測を行い、術前の色調を記録します。シェードガイドによる視感比色は患者自身にも手鏡などで、術者とともに確認してもらいます。帯状の変色、歯頸部の着色、グラデーション、テクスチャーなど必要に応じてスケッチし、部位ごとの色調や帯や縞模様などを記録します。この過程は、ホワイトニング効果の確認や「色が変わらない」というトラブルを回避するために重要です。特に、白さへの願望が強い方は期待値が大きいため、予想より白くないものは「変わっていない」と表現する場合もあります。

歯肉保護

過酸化水素が歯肉に接触すると白斑や疼痛などを起こす場合があります。これを防ぐために、歯肉にブルーワセリンを塗布します。シリンジに入れたブルーワセリンを歯肉や歯間乳頭などに塗布します。この際、ワセリンが歯面に付着すると漂白効果が減少しますので注意が必要です。

ラバーダム及びデンタルフロスでの結紮

歯肉保護のためにラバーダムの装着も推奨されています。ただし、代わりに光重合のペイントオンダムのような歯肉保護材を用いることも可能です。

歯肉保護の確認

口唇や頬粘膜、歯間乳頭や歯肉の保護が確実かを確認します。近距離からの可視光線の持続的な照射による、熱や乾燥などの不快症状を避けるために、口唇や顔面をタオルで覆うなどを行います。

ホワイトニング剤の練和

術者とアシスタントはグローブを着用します。35%過酸化水素は触れると強い刺激痛と皮膚の白色化が生じるためです。万が一触れてしまった場合は、水洗し抗酸化作用のあるビタミンE軟膏(ユースキンAなど)を塗布します。

ホワイトニング剤はプラスチックスパチュラで30秒程度練和しますが、練り込むような操作は不要です。筆で歯面に塗布しやすい粘度に調整します。

ホワイトニング剤の歯面塗布

強烈な光や薬剤からの防護を目的に、患者にも保護メガネを装着してもらいます。筆や平頭充填器などを用いて、ホワイトニング剤の塗布を歯面以外に触れぬよう慎重に行います。節煙部まで塗る必要はありませんが、歯頸部はギリギリまで塗布します。

ラバーダムが行えていれば口蓋部や舌側にも塗布可能です。歯根露出部や咬耗部は知覚過敏誘発の恐れがあるので塗布しないこともあります。

過酸化水素の水蒸気を吸入しないように、練和時と光照射時にはバキュームで吸引する必要があります。また、診療室の換気も行います。

ホワイトニング剤塗布後は、光照射の前に1〜3分の時間をあけて化学反応を促します。

光照射

・ハロゲンランプの場合
前歯歯列に沿ってウィービング照射で3分間照射します。この操作により、ホワイトニング剤が白色に変化するものもあります。歯肉や歯髄に対する熱の影響を考慮し、1本の歯に連続的に照射することは避けます。

・キセノンランプの場合
光量が大きく熱の影響を生じやすいため注意が必要です。1歯につき5秒ずつ、1本おきに行うなどの工夫が必要になります。これらを繰り返し、トータルで30秒程度の光照射を行います。

照射が終了したら、効果を確実にするために1分間放置し、ホワイトニング剤が変化するまで待ちます。

ホワイトニング剤の除去

歯面にワセリンが付着しないよう注意してホワイトニング剤を除去・水洗・吸引します。ホワイトニング剤が吸引され切るまでは水洗しないように注意します。
必要があれば再びワセリンの塗布などを行います。

1〜10までを繰り返し行います。1回の来院でおおよそ3回ほど同じことを行います。

11:終了

全てを除去し終えたら、歯面を研磨します。患者に注意事項を伝え終了となります・