テトラサイクリン系薬剤による変色

テトラサイクリン系薬剤

歯の変色や色調の異常を訴えて歯科医院を訪れた患者を対象にした調査によると、テトラサイクリン変色が62%、失活歯の変色が20%、残りはその他でした。

意外に思われるかもしれませんが、テトラサイクリン系薬剤による変色が非常に多いという結果になっています。

一見、勘違いのようですが、実はテトラサイクリン系薬剤による歯の変色は、外観が特徴的なため容易に診断できます。また、肉眼的な所見だけでなく幼少時の服薬の問診でも変色の原因がこの薬剤によるものであることが診断できます。

また、暗室内でUV光(紫外線)によって特徴的な蛍光を発するなども、その診断に用いられます。

テトラサイクリン系薬剤による歯の変色の特徴

テトラサイクリン系薬剤による歯の変色の特徴は、前肢から小臼歯もしくは大臼歯に至るまで、左右対称に多数歯に渡り確認出来ます。特に光の当たりやすい前歯部にその傾向が強く現れることも多く、歯頸部、歯冠中央部、切縁部などに褐色、黄褐色、黄色、オレンジ色、紫、黒などの帯状の変色を呈します。

色の濃さは、服用したテトラサイクリン系薬剤の種類や量、光への感光などに依存します。

また、部位による差は服用時期によって左右されます。

テトラサイクリン変色の分類

Feinmanによるテトラサイクリン変色の分類は4種類に分けられていて、軽度のF1から重篤なF4まで分類されています。

F1:淡い黄色、褐色、灰色で歯冠が一様に着色されているが、縞模様はない
F2:F1より濃い
F3:濃い灰色もしくは青みがかった灰色で縞模様がある
F4:着色が強く、縞模様も顕著

Fukushimaによるテトラサイクリン薬剤の分類は服用時期の推定に役立ちます。

1型:
前歯切縁から歯冠中央までの変色。第一大臼歯が変色し小臼歯や第二大臼歯には変色はみられない
服用期間は出生児から3歳時まで

2型:前歯から第二大臼歯の歯冠と、中切歯・側切歯・第一大臼歯の歯根付近までの変色
服用期間は出生児から6歳時まで

3型:前歯と第一大臼歯の歯頸部から歯根、小臼歯と第二大臼歯の歯根が変色。
前歯切縁から歯冠中央には変色なし
3歳時から6歳時まで

どこまでホワイトニングが可能か?

Fukushimaはホワイトニングによる対応が可能かどうかを4種類に分類しています。

1:淡い黄色はホワイトニングが可能であり、予後も良好
2:淡い灰色は可能であるが時間がかかる間合いがある、予後はやや不良
3:濃い黄色か灰色はホワイトニングは困難で予後も悪い
4:非常に濃い着色を呈し、そもそもホワイトニングは不可能

以上のような分類を行って判断してゆくことになりますが、

ホワイトニングの可能性については上記「4」の段階であっても、ホワイトニング治療
の期間を延長することで改善がみられることがあります。

少なくとも変色は残るものの、見た目はかなり改善されることの方が多いです。