フッ素と人体

一部の革新的な人物ではなく、私のような凡庸な人物はやはり論文から知識を拝借せねばなりません。その論文によれば、1996年にヒトのフッ化物の代謝と薬物動態について詳細な取り組みが行われているようです。

フッ素の代謝と薬物動態

フッ化物は経口摂取、つまり口から入った場合、その後に主に胃で急速に吸収され血漿中に取り込まれます。この時の吸収率は胃の容量と構造の影響を受けます。さらにカルシウムを多く含む食事を同時に摂取した場合には吸収率は90~60%に低下します。フッ化物が体内にどれくらい吸収され地用されるかについては食事との関係が重要な条件になってきます。フッ化物の摂取が過剰の場合、余った分は主に腎臓を介して尿中に排泄されるようです。糞便中の排泄量は摂取量の10%未満です。

フッ化物は主にフッ化物イオンの状態で血漿中に存在し、全身へと行き渡ります。フッ化物の血漿中の濃度は1日のフッ化物摂取量に依存します。ただ、時間の経過とともに骨に蓄積されたフッ化物が、骨のリモデリングにより血漿中へ放出される量が増えるので、加齢によりその最小値は上昇します。フッ化物が身体のどこかの部分に保持されるような恒常的な機構は実はありません。ですので、フッ化物濃度は日々の摂取に左右されます。このことは、口腔環境にとって重要な意味合いを持つことになります。フッ化物は血漿から身体の全ての器官と組織に分配されます。一般に腎臓の血中濃度は高値となります。反対に、脂肪組織や中枢神経系は血漿のフッ化物濃度の20%ほどしか含みません。

フッ素入り歯磨剤

フッ素と硬組織

フッ化物は高反応物質であり、石灰化組織と速やかに反応します。反応を終えたフッ化物は次第にフルオロアパタイトの形状を示し、結晶格子構造をとるようになります。フッ化物が沈着をするのは活発な石灰化期間です。それは骨格の成長期にあたります。この性質により、幼児のフッ化物保持率は80%と高値であるのに対し、成人ではその保持率は50%のみが骨中に保持されます。また、骨に保持されたフッ化物は必ずしも結晶になることはなく、骨は絶えずリモデリングを起こしているので、フッ化物は骨格から徐々に運ばれます。したがって、横断的研究にて血漿中と尿中のフッ化物濃度を計測した場合、フッ化物摂取のみではなく早期のフッ化物への暴露や、骨中のフッ化物の蓄積状態に左右されます。このことは加齢により骨からのリモデリングの速度や蓄積程度の影響を受けます。そのため、腎臓の能力についてのデータは大きく変化します。

フッ素と歯

一般的にはフッ化物濃度はどの組織においても表層が最も高濃度です。また、その濃度はフッ化物摂取や摂取している時間の長さに依存的であるとされています。これらはフッ化物の供給される組織液に最も近接しているという共通点がみられます。歯の場合、エナメル質特にその表面ではフッ化物濃度が最も高いですけれども、100μm内部では急激に下がります。一方、象牙質ではエナメル質表層以外の大部分のエナメル質よりもフッ化物濃度は高く、深部ほど高濃度になります。エナメル質で層ごとに相対的なフッ化物濃度の違いがみられるのは、歯の形成期間中のフッ化物の暴露量を反映しているといわれています。しかしながら、エナメル質最外層のフッ化物濃度は萌出後の変化に依存しているため、形成期間中の暴露の指標となならないだろうといわれています。

エナメル質が完全に形成され石灰化が終了すると、含有量は齲蝕や摩耗などの刺激を受けなければフッ化物含有量の変化はなかなか生じません。しかし、石灰化ー再石灰化反応の過程においてはエナメル質最表層ではフッ化物濃度は上昇します。このことは歯頸部に付着した歯垢やう蝕初期病変における表層下エナメル質う蝕の表層でもみられます。

まとめ

論文が偽造されていいると主張する人にとって、これらの代謝や薬物動態についての論文を偽装するのであれば、体内に蓄積されにくい様子を記述していることや血液脳関門の通過に関して記載がなかったことでしょうか?これらの研究は20〜40年ほど前のものが主であり、実際の矛盾が生じていれば再調査されるでしょう。また、時間を経て検査技術が向上したことを受けて繰り返し確認されていることもあります。世界中の研究者が記念を持ったら自らかもしくは外部調査機関に依頼して再調査が可能となっているのがころ論文体系のよいところです。偽造されているということを立証する論文を提出すれば世界中の研究者がその主張を検証してくれて正当性があったのであれば支持してもらえると思います。

現在のところ、それらの動きがみられないようなので、上述したものが正解に近いという形で話は進んできています。フッ化物に関しては恒常的に維持しておく機構がないということなので、何かと結合して脳に貯まるという話も否定されることになります。また、脂肪組織や中枢神経系はともにcholesterolrichであり、脳はこれを代表する機関ですが、前者にフッ素の蓄積が少ない以上、後者にも少ないと判断せざるをえません。

私はなにがなんでもフッ素を推進したいのではなく、どういった経緯でそれらの説を信じたのか?自分でどれだけ調査してみたのか?聞いただけで済ませていないだろうか?をお伺いしたいだけです。その上で有力な情報をご提供頂ければ、私自身も患者様により良い医療がご提供できますのでそれほど喜ばしいことはありません。