フッ素は虫歯予防に効果はないのか?

「フッ素は虫歯予防に有効ではない」というお話を最近聞くことがあります。この話の際にも、フッ素を取り巻く利権の話や論文の偽造や偏重のある解釈について様々な意見が述べられています。今回は、この「フッ素は虫歯の予防に有効か?」についてお話ししてゆこうと思います。

フッ素が虫歯予防に効果がないという意見の根拠に、アメリカでの水道水へのフッ化物の添加の話がよく出てきます。それによると、実は水道水へのフッ化物の添加がない地域でも虫歯の有病率が減少していたというお話が出てきます。私としては、その程度の理由でフッ素に効果がないと結論付けてしまう論文の読み方に驚くばかりなのですが、そもそもフッ化物の有無にかかわらず虫歯の減少は当然起こりうるものです。なぜなら、虫歯というのは多因性の疾患であるので、フッ素だけでなく、その他の要因の改善がみられれば虫歯の減少は起こるはずだからです。唯一、この研究のモデルに近いもので結果が有用であると思われるものは、砂糖の摂取の有無くらいのものだと思われます。しかしながら、砂糖論者の方もご存知のように、澱粉によっても虫歯は出来るとされていますから、砂糖を摂取しなければ虫歯は全く発症しないということではないようです。

フッ素とそのほかの病気

また、フッ素は虫歯の予防効果がないばかりではなく、癌や認知症リスクも上昇するというお話もあります。その昔、結核という病気が人々を怖がらせていましたけれども、確かにこの病気の場合はワクチンであるBCGの実施よりもだいぶ以前から有病率が減少していました。このことから、結核の有病者の減少はワクチンによるものではなく、衛生環境の改善によるものではないかもといわれています。もしかすると、このような研究と同じ感覚で解釈してしまったものの中に、フッ素によって発癌率が上昇している、もしくは認知症の患者数が増加したというものがあったのかもしれません。ですが、実際のところフッ素の水道水への添加についてアメリカで議論が起こったのは1920年代くらいからです。それに対し、癌の発症については1950年あたりから調査が開始されているので「分からない」ということが正解に近いような気がします。諸外国では1950年代から1990年にかけて癌の有病率は上昇しています。これに対してフッ素の使用量の増加が確認されているわけではなく、水道水の添加を行う地域が増えたわけでもないようです。そして、フッ素の使用量は年々増加する一方で諸外国では癌の有病率が減少傾向にあります。今のところ、ガンとフッ素の関係は完全に一致している訳ではないようです。

では、認知症はどうなのかというと、2012年のデータでは日本での認知症の患者数は462万人であるのに対し、イギリスでは70万人、オランダに至っては25万人と言われています。もちろん人口の差はありますが、6~19倍も人口が違うわけではありません。それぞれの国はフッ素の使用を控えているのかといいますと、すカンジナビアの方ではむしろ虫歯予防のためにフッ素を推奨しています。ご高齢になればなるほど認知症率は上昇するようですが、これを暴露した日数と関連して考えて、蓄積されてきたのだろうとするのであれば、近年流行の若年性の認知症の方のフッ素への暴露回数が圧倒的に少ないです。では、感受性の問題にするのであれば、早期に無歯顎になり、それからだいぶ経ってから認知症になった場合にはどうなりうのでしょうか?

いずれにせよ、もう少し基礎研究の結果が出揃うまでは結論を急がない方が良さそうです。

フッ素の毒性については、これはもうわざわざ話すまでもなく、骨組織に入れられるインプラントでさえ、神経に触れると麻痺が生じるわけです。神経組織に対しては何で触れても毒性があるようなもの、つまり激痛や萎縮などの毒性様の反応が起こりうるのではないでしょうか。

フルオロハイドロキシアパタイト

野生動物に虫歯が見当たらないのは、多くは歯の表面がフルオロハイドロキシアパタイトであるからです。ヒトの場合はハイドロキシアパタイトと呼ばれる成分で構成されていますが、エナメル質がイオン化したフッ化物に暴露されるとフルオロハイドロキシアパタイトまたはフッ化カルシウムになるようです。