フリーラジカルとホワイトニング

フリーラジカル

歯周病の進行と活性酸素で活性酸素やフリーラジカルについて触れた際に、「ホワイトニングでいわれている過酸化水素(H2O2)は、実は現実にはフリーラジカルではありません」とお伝えしました。

このことは確かなことなのですが、性質上、活性酸素種を容易に発生させることから、フリーラジカルの枠組みに入れられているとお話ししました。

現在、国内においてこのことを踏まえたホワイトニングとフリーラジカルの関係についての成書は存在しません。そのため、ホワイトニングの漂白効果を説明する際にフリーラジカルそのものについての解説がされています。

活性酸素とフリーラジカルの関係は以下のようになります。(左:活性酸素、右:フリーラジカル)

・ヒドロキシラジカル → ヒドロキシラジカル
・スーオアーオキサイドアニオン → スーパーオキサイドアニオン
・過酸化水素 → ヒドロペルオキシラジカル
・一重項酸素 → 二酸化窒素
・一酸化窒素はフリーラジカルのみ

過酸化水素は金属や光や熱なsどによって分解され、ヒドロキシラジカルあるいはヒドロキシペルオキシラジカルなどの不対電子を発生させます。

不対電子

不対電子とは、自らを安定させる為に酸化還元反応を起こす電子です。通常、価電子は対になりますが、酸素などは不対電子をもっています。このような不対電子を保有する原子や分子をフリーラジカルといいます。

フリーラジカルの種類

フリーラジカルには以下のようなものがあります。

・ヒドロキシラジカル:活性が大きく不飽和の二重結合に容易に反応する
・スーパーオキサイドアニオン:生体へのダメージは弱いとされています
・ヒドロペルオキシルラジカル:最も強力でヒドロキシラジカが過剰な過酸化水素と反応して生じる
・一酸化窒素
・二酸化窒素

フリーラジカルの作用

フリーラジカルは極めて極性の強い不安定な不対電子を持ち、有機質の未飽和の二重結合をもつ分子を切断するといわれています。この時の未飽和の二重結合は着、色分子鎖として働いているものを含みます。

二重結合を切断された結果、有機質はより低分子の物質に変化します。そして、フリーラジカル自身はこの過程で安定化されます。

この反応は、イオン化した酸素が2個の対になった電子を最外層のL殻に持つことで、他の原子と結合して分子を形成しやすい構造になっているために生じます。。

この性質によって、歯の着色の原因とされる有色物質の二重結合部分を、フリーラジカルが酸化、つまり酸素が結合することで分解し、低分子化された無色の物質とします。

実際には、ホワイトニングの作用を発揮させるために、フリーラジカルが着色物質まで到達する必要があるようです。

フリーラジカルは、生体内で需要な老廃物処理の機能を有しています。体内に侵入したウィルスや細菌に対して、免疫細胞であるマクロファージが発生させるものも活性酸素になります。しかし、その一方で、酸化ストレスとなることが知られています。その結果、疾病・老化・発癌などとの関与が疑われています。

過酸化水素のフリーラジアカルの発生

過酸化水素が分解されることによって、フリーラジカルが発生します。そのフリーラジカルが着色物質の二重結合を分解することで無色化します。

この時、過酸化水素は酸性環境下では安定しています。一方、アルカリ性環境下や金属触媒・熱・光などで分解が促進されます。過酸化水素のそれぞれの環境下における反応は以下のようになります。

・酸性環境下 : H2O2→H2O+O・

・アルカリ性環境下 : H2O2→H+HO2・

O・は比較的弱いフリーラジカルになりますが、HO2・は強いフリーラジカルになります。この反応は、さらに進めばCO2やH2O2にまで分解されます。

これらの性質が、オフィス、ホームの両方のホワイトニングで利用されています。弱酸性環境下にて弱いフリーラジカルを生成させる過酸化水素を、弱アルカリ環境下にて強いフリーラジカルの発生を促すことによって、有機性着色成分を分解して無色にするという機構が現在有力な説となっています。

これらの分解を含む漂白の過程は有機成分のみに作用すると考えられているため、ハイドロキシアパタイトには作用せず、歯質に対する為害性は非常に少ないと考えられています。

実際にはホワイトニング剤の歯質への影響にありますように、全くの問題がないとは言い切れないようです。