ヘッドギア

ヘッドギア

ヘッドギアとは

ヘッドギアとは、歯に力をかけるフェイスボウと固定源となるヘッドキャップもしくはネックストラップよりなる顎外固定装置のことをいいます。日本では毛嫌いされてしまうためあまりお見かけしませんが、欧米では矯正歯科治療を行う事自体がステータスだと捉えられているため、ヘッドギアを装着したまま外出する小児をみかけることもあるようです。そのため、アニメ映画でも登場キャラクターが装着しているシーンが描かれていたりもします。外出時での装着が日常的なため、フェイスボウを何かに引っ掛けてしまい、眼を損傷するという事故が年間に5件前後起きるといわれています。そのことにより、近年は外部圧が加わると外れるようなものが出ております。

ヘッドギアなどの顎外固定装置は1800n年代後半には、既に今日のような使い方をされていました。また、その使用によってそれなりの効果を得ています。しかし、20世紀初頭で歯科矯正学が発展すると、顎外固定装置を用いると治療術式が複雑になるという理由で下火になったようです。その後、1940年代にセファロ写真を使って顎外固定装置の評価が変わり、再び価値のある矯正装置であるという考え方がされるようになってきました。そして、第二次世界大戦の後、ヘッドギアによる治療効果が優れていることが広く知れ渡り、重要な地位をしめるようになったようです。

ヘッドギアの適応

ヘッドギアが用いられる主な場面は2級咬合異常を呈する小児の上顎骨過成長に対するアプローチを行う時です。この時、上顎骨は前後方向ばかりでなく垂直方向へも過成長を生じることが多いです。上顎骨が下方へ成長すれば下顎骨は後下方に回転します。これにより、前方へ成長しようとする下顎骨は妨害されるようになります。この動きを変えるために上顎骨の成長を抑制し、下顎骨が前方に成長することで上下顎の正常な位置関係になるようにすることを目標にヘッドギアは用いられます。

ネックストラップや300~400gの弱い力を利用したクレーンタイプのヘッドギアを用いた治療のセファロ写真を使った計測学的研究では、顎関係が新しく方向付けられるというかたちで骨格性の形態的変形が生じていたことが明らかになっています。

ヘッドギアの効果

青年期前の患者では、顎外力はほとんどヘッドギアやネックストラップを固定源としたフェイスボウを介して第一大臼歯にかけられます。成長を正確にコントロールするためには、ヘッドギアは少なくとも1日あたり10~12時間、規則正しく使用されていることが望ましいです。現在推奨されているのは片側350~450gの力です。矯正力の作用点として歯を用いる場合には、骨格性以外に歯性の効果も生じることを考慮に入れなくてはいけません。極端に強い力を加えると歯とその支持組織に対して外傷を負う可能性があります。反対に弱い力の場合には骨格性の変化は起こらず、歯性の変化を生じる可能性があります。

上顎骨に対する顎外固定装置の効果については多くの研究で報告されています。縫合部での骨付加のパターンを変えることによって、2級治療は上顎骨の前方と垂直方向への成長を抑制する間に、下顎骨は正常に前方への成長をする必要があります。したがって、下顎骨の成長は治療による反応として必須のものとなります。