ホワイトニングの難易度の判断

ホワイトニングの難易度の判断

歯科治療での多くの分野と比して、ホワイトニング治療における漂白効果は、歯に関する様々な要因によって一定の結果が得られにくく、また、狙った通りにならないものでもあります。

それは単純に、ホワイトニング治療にEBMがないことや、EBMに則って治療が行われてきていないためにデータの蓄積が足りないということも理由として挙げられます。また、成書と呼べるほどのものがなく、ホワイトニング関連の出版物のうち、そのほとんどが症例報告を主に掲載しています。さらに、歯が黄色くなる原因などについては出版物によってその見解はまちまちであり、私設学会や個人店の見解を述べるにとどまったものも少なくありません。

「この場合はホワイトニングの効果が十分に出るのか?」「この症例ではどのホワイトニングが最も効果的なのか?」「知覚過敏などの副作用が起きるかもしれない」「期間はどれくらいかかるだろう?」などなど、ホワイトニングの効果の予知性の難しさが挙げられることはよくあります。

その他にも目に見えない判断要因もあり、歯科医師や歯科衛生士自身も迷いがあり正確な情報を提供できないということに繋がっています。エナメル質の厚みや石灰化度、着色物質の種類、薬剤の影響、過去の治療で使われた薬剤の種類などは目に見えない判断要因の主なものであり、これらやこれら以外の多くの要因が交錯していることも原因として考えられます。

ホワイトニングに用いられている薬剤やそれらによって生じるフリーラジカルについても、一般的な基礎医学の分野よりも軽視されている風潮があります。これら作用機序や薬物動態の解明が不十分に思われる点なども残るため一概にホワイトニングの難易度を評価しきれないという部分もあるようです。

Van B Haywoodの難易度の指標

ホワイトニングはやってみないとわからない部分が大きいです。同じような変色症例においても、ホワイトニング後に異なった色調になることもしばしば見受けられます。歯種による違いがあれば、たとえ同一の口腔内であっても結果が異なります。

以前まではホワイトニングの難易度判定には、色の濃淡、術者の経験、帯状変色の有無、テトラサイクリン分類などを基に行われてきました。ホームホワイトニングを紹介したVan B Haywoodは、ホワイトニングの難しさの指標を発表しています。それが次のものになります。

・同じように見える変色や症例は異なった色調を生む可能性がある
・帯状の変色は多様な結果になる
・黄色系の変色は比較的に容易である
・グレー系の変色は困難
・歯頭全体の変色の漂白も比較的容易である
・歯頸部の変色は最も困難である
・切縁の変色は比較的容易

シェードアップナビによる難易度判定

シェードアップナビという機械が国内では販売されています。これは天然歯の色調を数値化し、その数値と付属の専用シェードガイドで難易度を示すことができます。

この難易度は8項目のスコアの合計で行われます。以下に評価項目とスコアを数字の小さい順番に列記します。

1:着色度(Navi値) スコア1:4.5 軽度の着色  スコア2:6.7 中程度の着色  スコア3:8.9 重度の着色
2:色調            暖色系          中間色            寒色系
3:バンディング        帯なし          帯の色調が弱い        帯の色調が強い
4:ホワイトスポット      ない           少ない            多い
5:顔の色           黒い感じ         赤い感じ           色白
6:修復処置          全体           ないs 一部あり
7:修復処置部、数       前歯全て         前歯部は健全        前歯部に1〜2本の修復
8:テクスチャー        凹凸が少ない       中等度           凹凸感が強い

これらの項目に答えてスコアを出します。それらの判定は

8~10 難易度は低い
11~19 中程度
20~24 高い

のうちから選ばれます。