ホームホワイトニングの尿素とは

尿素

ホワイトニング治療における漂白効果を発揮する主な成分は、過酸化水素であることはお分かり頂けましたでしょうか?

この過酸化水素に結合させて、ホームホワイトニングの主成分である過酸化尿素を形成する為に、尿素というものが使われています。

今回は、この「尿素」についても解説したいと思います。

尿素とは

尿素とはCH4N2Oという化学式で表記される、分子量60.06の無色あるいは白色の結晶性粉末です。無臭で塩味がします。

この尿素は1773年に哺乳類の尿中にて発見されました。その後、1828年に無機化合物から尿素の合成が出来るようになり、無機化合物から有機化合物を合成した世界初の反応として有機化学史上では大変有名なものとなりました。

尿素は医薬品や工業製品として用いられています。医薬品としてはスルファミン類と併用して殺菌に使います。工業製品としては、その大部分は肥料、尿素樹脂、接着剤などの原料となっています。

タンパク質の組成を成す窒素は、最終産物として哺乳類では尿素、鳥類や爬虫類では尿酸の形で排泄されます。成人のヒトではタンパク質量によって増減がみられますが、おおよそ1日に5~30gほどを尿中に排泄するといわれています。

尿素を摂取した場合、消化管から吸収され、細胞外液中に拡散します。その後腎臓糸球体にて100%が濾過され、40〜50%が尿細管で再吸収され、残りが尿中に排泄されます。

高濃度の尿素は、角質の水分量を増加させます。そして、角質の溶解作用も持ち合わせるので、角質性の皮膚炎に治療薬などにも応用されています。しかしながら、尿素が皮膚に接触した場合には、疼痛、紅斑、ピリピリとした感じ、痒み、灼熱感、丘疹、過敏症などが起きる場合もあり注意が必要です。

歯科におけるホームホワイトニングの薬剤としては、過酸化尿素が10%含まれます。この時の尿素は過酸化水素とは弱い結合をしており、口腔内では唾液や体温などにより分解されます。

ホワイトニングによる過酸化水素の働きは、歯の表面でのさらなる分解とヒドロキシラジカルの発生があります。このフリーラジカルはおよそ15分ほどで歯質を透過して歯髄に達するといわれています。

一方、この時の尿素はエナメル質にわずかに存在する有機成分の溶解を行い、分解するのを助ける働きをします。

無髄歯には

無髄歯のウォーキングブリーチにおいては、過酸化尿素のゲルは髄腔内と歯の表面に塗布が行われた状態でキセノンライトを照射すると、35%過酸化水素よりもホワイトニング効果が高いといわれています。

これは尿素のタンパク質分解作用と失活歯内の残存タンパク質の関係によって効果が出ていると考えられています。