ホームホワイトニングの手順

ホームホワイトニングの流れ

ホームホワイトニングの治療手順は、おおまかに次のようになっています。

1:外来
2:技工室での作業
3:家庭での使用

この記事ではホームホワイトニングの治療手順について、上記のステップに沿って解説してゆこうと思います。

外来

ホームホワイトニングは患者さんご自身でホワイトニングを行なってもらうものです。そのため、十分な説明と患者さん自身のホワイトニングの理解、不快事項発生時の対応などをよく話し合ってゆく必要があります。

その他、外来においては次のような順序で治療が進みます。

1:歯面清掃
この過程はオフィスホワイトニングに準じます。歯石・プラークの付着の確認、トレーの被る歯間乳頭の発赤や腫脹の有無などを確認します。
歯面研磨剤とブラシコーンを用いて低速回転で歯面を清掃してゆきます。必要に応じて叢生部分の着色を落としたり歯石を除去したりします。

2:色調の記録
清掃が行われた歯について色調の記録を行います。シェードガイドによる視感比色や口腔内写真撮影、場合によっては測定器などによし色調の記録を取ります。
口腔内写真は術後と継時的な変化が確認できるように、同一倍率で同一方向から撮影出来ることが望ましいです。

3:印象採得
ホワイトニングトレーを作成するためにアルジネート印象材を使って印象採得を行います。前歯の歯肉と歯頸部の境界部、口腔前提、歯間乳頭、最後臼歯の遠心部などの正確な印象が必要とされます。

技工室での作業

外来での印象採得により得られた石膏模型を使用してホワイトニングトレーを作成します。詳述は後の記事に譲るものとして、その概略をお話しします。

ホワイトニングトレーで推奨されている材料は異なりますが、多くはEVA(エチレン酢酸共重合体)という材質のものを使用します。この他にはポリオレフィン:スチレンイソプレン共重合体という材質のものもあります。ほとんどの場合、その厚さは1mm前後のものを使用します。以下、技工操作の手順です。

1:石膏注入・模型作製
2:トレーの設計
3:レザボアの設置 *なくても可能
4:EVAシートの加熱軟化、圧接
5:シートのトリミング
6:仕上げ

家庭での使用

1:外来にてホワイトニングトレーを渡す
技工操作によって出来上がったホワイトニングトレーを、口腔内で試適します。装着がスムーズかどうか、臼歯部の浮きがないか、歯肉を圧迫している所はないかなどを確認します。最後に、患者自身でトレーの着脱ができるかどうかを確認します。

2:患者への説明
ホームホワイトニング治療の1/2~2/3ほどに知覚過敏が生じることをお伝えします。対処法として軽微な場合は使用を一時中断することを指導します。眠れないほどに痛くなってしまった場合や、数時間以上強い知覚過敏が生じる場合には連絡をしてもらうようにお伝えします。知覚過敏症状にはフッ化物の塗布やMIペースト、硝酸カリウムなどが有効といわれています。知覚過敏が生じた際にはトレー内にそれらを注入してもらうなどを説明しておきます。

顎関節症のある方の場合、上下顎両方のホワイトニングトレー装着を避けてもらうこともあります。その場合、先に上顎からホワイトニングを行うことが望ましいです。色の変化も確認しやすくなりますし、下顎のホワイトニングトレーの方が薬剤の漏洩が生じやすく、さらに知覚過敏が生じやすいのも下顎だからです。

3:自宅にて
ホワイトニングトレーにホワイトニング剤を注入して口腔内に装着します。ホワイトニングを開始する前には歯面と歯冠部の汚れを除去し、歯間部分にはフロスを通してプラークの除去を行なってもらいます。また、鏡で歯間乳頭や歯肉に異常がないかを確認してもらいます。

1歯あたりのホワイトニング剤の注入は、レザボアがあればレザボアに、なければ米粒大あるいはビーズ大の大きさほどを注入します。下顎歯においてはそれよりも少量でもいいと思われます。口腔内にトレーを入れた際にホワイトニング剤が歯面に広がる程度の量が目安となります。

ホワイトニング剤がトレーからはみ出した場合、テッシュや歯ブラシなどで拭ってもらいます。

オーバーナイト、つまり夜間就寝時での装着は、トレーの逸脱や薬剤の誤嚥の恐れがあるため避けてもらいます。
連続装着の必要はなく、1時間と1時間、30分と1時間半、などのように分割することも可能です。装着は14日間を基本単位とし、進捗状況に応じてプラス7〜14日間の延期を行います。

ホワイトニング剤の保管は冷暗所に行います。ホワイトニング終了後はトレーを十分に水洗してケースに入れて保管します。トレーの材質にもよりますが、多くは加熱を避けて乾燥させて保管します。