予防歯科と歯周治療

予防歯科

同じ扱いになっている現状

日本人の生活様式の中での意識や優先順位などを研究した結果、「歯は文化的なもの(に分類される)」とある大学の教授が仰っていました。日本は先進国の中でも圧倒的に歯科のメインテナンスを受ける率が低いと言われています。それどころか、熱心にメインテナンスに通っている人に対して「まだ通ってるの!?」「いつまで行くつもり?」などという人もいるようで、時折そのことについて相談を受けることがあります。日本は、経済面では先進国の仲間入りをしたものの、文化面ではまだまだこれからというところなのかもしれません。

歯科業界も同じ

このことは、何も一般の方にだけ言えることではなく、歯科業界の中の者にも同じことが言えます。なにせ、予防歯科がいわれてきたのがここ数年の話です。それまで何十年も予防歯科を放って置いたわけです。では、果たして必要な治療が変わったということなのでしょうか?このような話をすると、よく医学が進歩したから新たに分かったことなのだという話が出てくるのですが、それは確かにあると思います。

しかし、予防歯科に関していえば、数十年前よりも現在の材料の方が性能がいいわけですから、被せ物やそれに使う接着剤の性質も向上しているはずです。また、電動歯ブラシも出てきていますし、清掃補助器具も気軽に購入できるようになっています。このことを考えると、現在よりもむしろ一昔前の方が予防が必要だったはずで、クリニックで行われる予防歯科自体は縮小されていくものなのではないかと思います。もしかすると患者様の要望が増えたので、クリニックで予防をする人が減り、縮小傾向にありながらも、新規の予防歯科患者数がものすごい数で増えるのであれば辻褄があうのかなと思います。

狩猟と農耕

業界誌などでは「狩猟型から農耕型にチェンジしていこう」などと言われています。狩猟型とはどんどん患者さんが来院してくる一昔前の歯科医院の業態を表現していて、削ったり抜いたりどんどん治療するスタイルのことを表しています。一方、農耕型とはじっくりと患者様に向き合って歯を守っていきましょうというスタイルの診療のことを表しています。この際に、予防歯科というものが出てきました。

ただ、人間は基本的に、どのような分野においても予防をすることより損失を出すことに強く反応します。ですから、根本的には興味が低いのは歯科業界でも同じです。予防歯科と歯周病の検診やメインテナンスが一緒の感覚で語られています。その結果、歯を磨いてはいけないなどという者まで現れてしまう事態になっています。

まるで別物

予防歯科と歯周治療はまるで別物です。