口臭の原因と治療法

口臭の原因

http://www.歯の百科事典.com/口臭/ では、口臭の原因の87%が口腔内からの由来であることをお話ししました。口臭を発生させる物質であるメチルメルカプタンなどは滲出液に含まれていて、炎症などにより滲出液量が増加するとそれらの物質は増加し、更には深いポケット形成により口臭が強まるということをお話ししました。

これらに加えて、滲出液や唾液中に存在するジアミンも臭いの原因になり得ます。ジアミンは口臭診断のモニターでは検出されないことがあります。それは、これらの悪臭を放つ物質は揮発性を有した時に臭いを認識できるようになるからです。これは、身体につけた香水が、その部位の乾燥とともに蒸発し香りを発するメカニズムと大変似ています。ですから、口腔乾燥症などの場合には強い口臭を出すというのはこような作用があるからです。

メチルメルカプタンなどの揮発性の硫黄化合物は間質性コラゲナーゼ産生、単球でのIL-1産生、カテプシンB
産生を亢進します。すると周囲の結合組織の破壊が生じます。また他の実験ではメチルメルカプタンは細胞骨格に影響を及ぼすという報告がされてます。そして、このガスによって細胞の増殖能は減り、遊走能を変化させることも明らかとなりました。ただ、これらの変化には亜鉛イオンの添加によって防ぐことができます。

その他の原因

唾液は臭気物質の産生を抑制する働きがある一方、乾燥するとカダベリン、スカトール、インドールなどの硫黄を含まない物質を放ちます。揮発性硫化物を発生させる細菌はほぼ同定されています。

舌の表側、これを舌背と呼びますが、舌背は表面積が大きいので口臭を発生させる主要因となることが多いです。剥離上皮細胞、食物残渣、細菌などが舌背に蓄積し、細菌の作用により腐敗をしょうじさせるからのようです。

耳鼻咽喉では慢性咽頭炎、化膿性副鼻腔炎が原因となることが多いです。また、後鼻漏も口臭の原因になります。この場合は、多くに逆流性食道炎がみられ、鼻腔から喉に液が流れるような自覚症状を訴えることが多いです。肺では慢性気管支炎や気管支拡張症、気管支の癌が主口臭の原因となっています。胃や腸管もまた原因にあげられます。食堂小嚢が括約筋によって口腔と隔離されていない場合、食物残渣が蓄積されるときつい口臭が生じます。また、ジメチルサルファイドのようなガスが腸で再吸収されると呼気から吐き出されて口臭の原因になります。さらに、胃ヘルニアに逆流性食道炎が伴うと口臭が強くなるとされていますが、意外なことに胃が原因の口臭はこの場合のみとなるようです。腎疾患の尿毒症や膵臓の疾患のアセトン臭、肝臓疾患ではアンモニア臭などが現れます。メトロにダゾールという薬剤はそのものが口臭の原因になります。

原因除去療法

口臭の治療法

他科の治療が難しい場合には、口臭の治療の第一選択は口腔の治療となります。その場合、炎症のある深い歯周ポケットや舌苔のような原因を除去する方法がメインとなります。口臭の原因である細菌の全顎感染除去療法と厳格なホームケアを行うことによって細菌数を減らし、それらが引き起こす悪臭を減少させることができます。この際に、薬液の含まれるスプレーを咽頭に噴霧することも有効であるとされています。その他、亜鉛を含む洗口剤は二価の硫黄基複合体の特有の悪臭を減らすことが立証されているので、塩化亜鉛やトリクロさんを含む歯磨剤を舌背に応用すると4時間程度口臭を減らすと言われています。20%以上の重曹を含む歯磨剤や過酸化水素を用いた洗口も3時間程度口臭を減らす効果があるとされています。舌苔の処理は薬剤の洗口に加えて舌ブラシを用いてブラッシングすることで口臭を減らすことが出来るとされています。2002年に洗口剤、歯磨剤、化粧品の口臭治療に対する評価が発表されましたけれども、ミントや他の短い作用の消臭剤はほとんど効果がないことが明らかになっています。口腔の乾燥による口臭については、唾液の流れを増やすためにどのような方法を用いても有効のようです。液体の滴下やガムの使用も有効のようです。また、ガムの使用に関しては下顎臼歯部の歯周靭帯の機械的受容体から耳下腺にいたる反射を刺激することが有効とされています。ですので、臼歯部の存在は重要になってきます。