定期検診

歯周治療には次のものが含まれます。

1:全身状態の評価
2:原因除去治療
3:歯周外科手術および修正治療
4:メインテナンス

メインテナンスについては1989年に開かれた全米歯周病学会のWorld workshopで「歯周サポート治療(suppertive periodontal therapy;以下SPT)」と呼ぶように呼称の変更がされました。これは、それまで術者主体のメインテナンスが主流であったことに対し、患者自身が感染のコントロールをする努力をし専門家はそれをサポートする立場にあること、再感染を避けるために治療が不可欠であることをなどを表しているように思えます。

定期検診
実際に、歯周治療の長期的な治療効果について多くの臨床研究がSPTが不可欠であることを支持しています。専門家による歯周治療後のメインテナンスケアが治療の枠組みにおいて欠くことの出来ないものであることが明確に立証されています。このことは、治療効果を長期で維持するためにはメインテナンスケアが唯一の手段であることを示唆しています。

SPTの問題点

SPTが治療効果の長期的な維持に対して非常に有効であることは立証されていますが、メインテナンスケアを行う頻度や、その内容について明確な基準は提示されていません。これにより、術者が疾患の再発や再感染を見落とす危険性が生まれます。また、別の場合には過剰な治療となってしまうことがあります。そして、それらに伴う長期的な維持への影響についてもまだ確実なことがいえない状況のようです。

疾患再発のリスクの客観的な評価基準がないという現状を踏まえて、患者個々のリスク評価を歯の部位毎にそれぞれリスク診査することで、再発の可能性を推定することによって行われなくてはいけません。

専門家への定期的な受診は、健康な口腔内を維持するための機会を確保し、患者と術者の間にフィードバックを提供します。必要に応じた治療効果を最大限に引き出すためには診断に基づいて継続的なモニタリングも必要です。SPTの問題は、この定期的な受診の継続率の低さや、患者ー術者間のフィードバックの不足などが挙げられます。そしてその背景には、関連分野や周辺知識についての不足が、患者と術者の双方にあることも関連がないわけではなさそうです。

日和見感染

歯周病自体は日和見感染であり、それに対する宿主の防御反応の結果、骨の吸収や歯周組織の破壊がみられるようになります。大切なことは日和見感染だということであり、体調の良し悪しや免疫力の低下などによる発症よりも、プラークの堆積による菌量の増大や細菌叢の変化などが成立要因になることが多いように思われることです。1960年代から1970年代にかけてよく行われていた動物実験では、プラークの除去により歯肉炎が回復したことが分かっており、その歯肉炎が歯周炎の成立と関係があることを示唆するものが数多く報告されています。

これらのことから、大きな影響を与える可能性のあるプラークの量や成熟具合をコントロールすることが重要であるとともに、それが成立しない期間のうちに効果の証明されているプラークの除去を行うことが望ましいと考えられます。

ただ、先述した動物実験の中には48ヶ月もプラークを堆積させたままにしていても歯周病を発症しなかったものもあることから、個体ごとに異なる要因があるということも考慮されていなくてはなりません。