栄養療法最大の問題

栄養療法の問題

栄養療法実践のよくあるパターン

「栄養療法」というと、「栄養」という単語が聞き慣れたものであることと、「食事」という単語が日常行為であるためか、多くはその重要性は軽視されがちです。

あるいは取り組むにしても、おそらく数十万円のバッグやスーツを購入する時ほどには真剣に食べるものを選んではいないと思われます。

かといって「オーソモレキュラー療法」といってもピンときません。

当院では栄養指導の他、栄養療法についての情報もお伝えしています。

そのため、幾人かは自分で本で勉強してくれるようになったり、ネットで調べたりしてくれるようになります。私自身、栄養療法のお話が出来ること自体がとても楽しいので、そのような方が増えてきてくれることが嬉しいです。(調子に乗って喋りすぎて引かれてしまうこともしばしばです)

ところが、しばらく経ってからその方達にお会いすると、一部の人に「それはあの本でもう読んだから知っている」とつまらなそうな様子がみられることがあります。そして、食事内容の改善は行いましたか?と尋ねると「そこまでは出来ないから出来るところだけやっている」と、アレンジか省略がみられるようになります。

それからは、不思議なくらい顔色の悪さが似てきて、反動の為かお菓子やジュースの袋をぶら下げて、窓口にサプリメントだけ受け取りにくるようになります。

そのままでは当然に栄養療法の効果は期待出来ず、「やってみたけど効果がなかった」「期待したほどではなかった」「以前より良くなったからもう十分」となってゆくだろうと思われます。

せっかく熱心に勉強した方の中には、知らなかったことを知ったことによる満足感や、一気に学んだ後の燃え尽きなどによる反動もみられます。いわゆる「飽きた」状態です。

モチベーションが下がっていく過程でサプリメントの値段が気になり始め、手頃なものに移行してゆくうちに、それらでは効果も出ないのでやめる理由となってゆきます

そして、何よりも身の周りに溢れている誘惑に負けてゆきます。

いずれにしても、栄養療法関係者からすると驚くほど初期の段階で終わってしまうため、書籍で見られるような症例に出るのはぐっと減ります。

なんとかフォローを試みる

知り合いの先生方にこのことを相談すると、意外にも早い段階でフォローをやめてしまっていることを知りました。それは経験上、そのような方達は何を言っても無駄になってしまうからということと、治りたくない人は治せないという理由のようでした。

私自身もフォローを試みますが、たしかに多くの場合、再度の説明では刺激が足りず「でしたよね、知ってます」と遮られるようになります。

仕方がないので難易度を上げると、もう新たに吸収するエネルギーが切れている場合は受け入れてもらえなくなります。「ふーん、そうなんですか」くらいです。

興味を持続しているうちに原点に戻ってきてくれることを期待して”真新しい情報”を伝えるなどの対処をしますが、この段階になってしまうと実行力や遵守率が下がっているので効果が出ない時があります。

そうすると、あまり時間が経つことなく以前の生活に戻り、栄養療法の話は雑談のように扱われ、そのうち「そんなこともあったなぁ」で終わります。

当院であっても、他院様であっても、栄療法を継続してくれている割合は決して高くないようです。そのまま栄養療法のクリニックに移行した所もごく僅かです。継続してくれる人にはある傾向がみられますが、そのデータをお知らせ出来る段階にないので今後の報告を楽しみにしていて下さい。

おそらくフォローだけでは難しいか、専門的なフォローが必要になってくるのだろうと思われます。

継続出来る方法

何年も何年も、深刻な症状に悩まされてきて、いろんな医療機関にお世話になっては改善されず、絶望と諦めのところまで行ってしまった方の場合、栄養療法による体調の変化がモチベーションにつながるようです。

そのような方達の場合、栄養療法の長期間の実践が確認できます。

しかし、それほどには深刻ではないか自覚症状がない場合には上述した反応が多いです。

栄養療法は素晴らしい効果を期待できますが、行う行為が日常的であったり特別に真新しいものを見るでもないなどの理由で持続しにくいもののようです。

けれども、栄養療法が本質的に「つまらないもの」であるならば、これほどに医療関係者に広がらないですし、競うように勉強する先生方がいらっしゃらないはずです。

少なくとも、栄養療法を行なっている医療従事者は、ずっと何年も継続して食事方法を実践しています。

同じ「公式」を教わっても解答出来る問題の難易度が異なるように、「栄養」と「食事」においても一般的なものと栄養療法における食事方法には違いがあります。
この違いを深く知ってもらうためには、書籍のレベルでお伝えするのは難しいのかもしれません。なぜなら、書籍を読むのはそれなりにモチベーションが高い状態だからです。

テレビや雑誌などで取り扱われる頻度が上がってきてくれると、もっと普及するのかもしれません。

そのようなこともあり、このように閲覧性の高い媒体でお知らせしてゆくことは重要なことだと思い記事の更新を続けています。