歯が黄色い原因 〜内因性因子〜

歯が黄色い

歯が黄色く見える原因では歯が黄色くなる原因についてお話ししました。

その中では、「結局のところ詳細には分かっていないのだろうと思われます」と書きました。その上でいくつかの分類を行い、内因性因子と外因性因子に分けていくつか概要をお話ししました。

今回は、内因性因子について、もう少し掘り下げてお話ししてゆきたいと思います。

薬剤:特にテトラサイクリン

内因性の歯の変色は、

・歯髄に関するもの
・薬剤
・齲蝕
・全身性疾患

などが原因として挙げられることもあります。

「薬剤」による影響として有名なものに、テトラサイクリンによる変色が知られています。これは、歯冠形成期のアパタイトにテトラサイクリンが沈着することによって発生します。ある意味で、医原性の副作用ということになります。

テトラサイクリンの分子がカルシウムとキレート化することによって象牙質に取り込まれます。これによりテトラサイクリン錯塩が形成されます。

妊娠中期の14〜27週の頃に影響を受けた場合は乳歯に変色がみられます。ただ、乳歯の場合は永久歯に生え変わる際にテトラサイクリンの服用がなければ永久歯に影響を及ぼすことはないようです。

しかし、生後0〜8歳くらいに影響を受けた場合には永久歯に変色がみられるようになります。

解明されている範囲でのメカニズムとしては、テトラサイクリン系薬剤に含まれるミノサイクリンが消化管から吸収されると、第二象牙質の形成が行われている場合にはハイドロキシアパタイトとキレート化して難容性の複合体となって第二象牙質に沈着するといわれています。

第二象牙質とは象牙質と歯髄の境界部にある象牙芽細胞が、生理的な変化や歯髄に齲蝕などで刺激が加わる際に形成される組織です。

このような歯の硬組織と親和性の高いテトラサイクリン系薬剤を服用した際に、テトラサイクリンを変色させる紫外線の影響を受けると歯が変色するのではないかといわれています。

これはテトラサイクリン系薬剤による変色のメカニズムの話になりますが、その変色は緑色や黒色に近いものになります。もしかすると、この色以外の変色、たとえば黄色なども、もしかすると何かしらの影響が第二象牙質に影響を及ぼすのかもしれません。

加齢による変化

加齢による歯の変色は、エナメル質の透過性が向上し菲薄化することが原因とされている成書もあります。歯が黄色く見える原因では石灰化度が上昇すると黄色くみえるとお話ししましたが、両方が原因なのかどちらもちがうのか、よくわかっていないようです。

その他の成書にはエナメル小柱への有機色素の沈着とありました。

加齢による変化であっても、その一部には抗菌薬の沈着と光酸化による象牙質の変色も含まれる可能性があるので、成人であっても抗菌薬の投与には十分な配慮が必要になるかもしれません。このことは、ホワイトニング治療の後戻りとの関係を疑えるかもしれません。

後戻りについては、テトラサイクリン系薬剤の褐色化の可能性も示唆されています。有髄歯のホワイトニングは表面から作用させた過酸化物が分解して生じるラジカルが、歯質内に拡散して漂白作用を発現させることに行われます。このラジカルは確認できる範囲ではエナメル象牙境や象牙質の有色分子を分解します。

この時に分解された色素成分は除去されることなく残存するため、時間経過と共に再結合を起こして発色団を生成する可能性もいわれています。

歯髄に関するもの

歯の変色のうち、歯髄に関するものは以下のようなものがあります。

・歯髄壊死
・歯髄内出血
・根管充填

歯髄壊死は外傷や打撲などによる結果、神経が失活することによって生じます。これは乳歯にも永久歯にも共通してみられ、多くは褐色化黒色を呈します。

また、歯髄内出血によっても褐色または黒色を呈することがいわれています。この場合は外傷のほか、抜髄や亜砒酸などによるものと考えらています。ただ、歯髄内出血は何を指しているのか?歯髄内充血との違いは何か?などを明文化しているものは見当たりませんでした。

根管充填の際の血液や歯髄残渣も変色を招くようです。

歯髄まで影響はなくとも、齲蝕自体も白濁・黄色・褐色・黒色を招く場合があります。

薬剤

上述しましたように、テトラサイクリン系薬剤などの抗生物質が変色を招きます。

また、イオン導入などの根管治療によっても褐色を呈することがあるようです。つまり、歯髄がなくても変色するということになるのですが、「歯髄に関する変色」という分類がされていますので、今後の研究で詳細に解明されてゆくことに期待したいと思います。

そのほかに、硬水などに含まれる1ppm以上のフッ素含有が原因となり白斑や褐色を呈することがあるようです。

歯科材料では、アマルガム・銀粉・ヨードなどが知られていますが、劣化した金銀パラジウム合金なども歯を黒染させることがあります。これらは歯に染み込むことで内因性に分類されることもありますが、着色としての性質もあることから外因性に分類されることもあります。

全身性疾患

全身性疾患によっても歯は変色がみられるようになるようです。このことは、やはり身体は繋がっているのだということを私たちに教えてくれます。以下、疾患と色について

・先天性組織褐色症:褐色
・アルカプトン尿症:褐色
・先天性赤血球ポルフィリン症:赤褐色
・胎児赤芽球症:黄色〜緑色
・新生児黄疸:黄色〜緑色
・リウマチ熱