歯が黄色い原因 〜外因性因子〜

外因性因子による着色

歯が黄色くなる原因のうち、内因性因子についてはこちらにて解説させて頂きました。

今回は歯の着色のもう一つの要因である外因性因子による着色についてお話ししたいと思います。

ホワイトニングの対象となる歯の変色については、Bardenの分類というものがあります。そこに挙げられている着色の種類においては内因性因子の方が数は多いのですが、実際に観察される着色の多くは外因性のもので、その発生頻度も多いと考えられています。

外因性因子については

・食物成分
・硬水(含鉄)
・嗜好飲料
・口腔細菌産生色素
・タバコ
・金属蒸気
・薬剤

などが挙げられます。これらがどのように歯へ着色させてゆくのか、そのメカニズムから見てゆきたいと思います。

外因性の着色のメカニズム

歯の萌出直後においては、エナメル質表面に歯小皮という有機性皮膜が覆っています。

この歯小皮は、歯の萌出から間もなくして物理的にかタンパク質分解酵素によって除去されます。その後、唾液タンパクと吸着しやすいハイドロキシアパタイト結晶に、ムチン・酸性プロリン含有タンパクなどの唾液成分由来のタンパク質が凝集します。これらが0.1~0.2μmほどの厚みを帯びて獲得皮膜またはペリクルと呼ばれる歯冠表面を覆う糖蛋白を作ります。

このペリクルに着色因子が吸着され沈着することによって、歯が着色してゆくというのが今のところ通説となっているようです。

嗜好飲料の着色

嗜好飲料であるお茶やコーヒーやワインなどに含まれるタンニン酸は着色の外因性因子となります。

このタンニン酸はタンパク質と反応すると不溶性になり、カルシウムやマグネシウムと反応すると褐色の沈殿を生じます。また、鉄と反応すると暗褐色の沈殿を生じます。

これらがペリクルに吸着され沈着することによって歯が着色するといわれています。

消毒薬剤による着色

歯科治療で主に消毒時に使用されるクロルヘキシジンや塩化ベンザルコニウムクロルヘキシジン(ヒビテン)などによっても歯への着色が生じます。

クロルヘキシジン自体はアナフィラキシーを懸念して粘膜への使用は禁忌とされています。

塩化ベンザルコニウムクロルヘキシジンはペリクル中のアミノ酸(フルクラール、グリシンなど)とメイラード反応の触媒になります。この反応によって褐色物質を生成し、ペリクルに吸着されることによって歯が着色するといわれています。

サホライド

乳歯などのエナメル質に限局した浅い虫歯については、小児の心理や口腔内の処置の難しさなどを配慮してサホライドという薬剤を使用して経過観察をするという方法が行われることがあります。

このサホライドンの成分はフッ化第一スズといわれるものですが、これ自体は無色です。実は薬剤として強い刺激性をもつ側面もあり、まれに歯肉に白斑を生じたり、びらんを生じさせることがあります。また、歯面においては特定環境下において唾液タンパクでスズが硫化することによって褐色の着色を呈することがあります。

このことからも、金属化合物(金属の詰め物)が歯を着色させる可能性を有していることがわかります。

これら薬剤による歯の着色は、以前から硫化鉄が原因なのではないかといわれてきました。しかし、鉄塩とキレート結合するラクトフェリンが関与するという可能性も近年ではいわれています。

色素の吸着具合は、直後ではブラッシング程度で除去が可能となりますが、時間が経過すると強固に結合し除去しにくくなるという特徴があるようです。