歯ブラシの選び方

歯を磨いているのに虫歯になる

毎日ちゃんと歯を磨いている人は多いです。むしろほとんどの人が毎日朝と夜に歯を磨いていて、時にはお昼にも磨いていたりしてくれています。しかし、なぜだか虫歯になってしまっていて、検診にお越しになってショックを受ける方が多いです。また、歯茎から血が出ていたけれど、歯ブラシでグイグイやっていたら治ったとおっしゃる方が結構いらっしゃるのですが、そのようなあたりからも、歯ブラシの使い方に相当な誤解が広がっているのだなと思います。歯磨きに関しましては、適切な磨き方ができるようになって、その方法で時間をかけたり繰り返したりすることが効果的です。間違った磨き方を何度繰り返しても、その効果を期待することは出来ません。

ここでは、適切な歯磨きをしていく際に必要なこととして、まず歯ブラシの選び方についてお伝えしてゆこうと思います。

歯ブラシ

歯磨きの難題

歯磨きの話をしていくと、多くの方が基本に立ち返ることを嫌がります。一見簡単なことからお伝えするので、どんどん次に行こうとしたがります。しかし、前提として基本が出来ていないと他に何を付け加えたところでどうにもなりません。そのような場合はこちらでも調整をするのですけれども、当然のことながら我流に戻ってしまう方は何回も基本的なお話になってしまいます。そうすると、そのうちに飽きて中断してしまいます。

今まで磨けなかったのために虫歯になったり歯茎から血が出たりしていたということが事実です。そのことを見つめて、今一度基本に戻るつもりで取り組んでほしいと思います。他の技能とは違って、今までの経験がありますからそれほど長い時間をかけなくても上手になります。基本のことだけでも全く違うものになりますので、効果を感じながら上達することが出来ます。ぜひ楽しんで取り組んでほしいと思います。

どのような歯ブラシが良いか?

よく聞かれる質問に「どのような歯ブラシを使うといいか?」というものがあります。結論から言うと、歯ブラシのデザインの差異により歯垢除去効率には差がないことが証明されています。口腔衛生状態の良好な人は歯垢除去行為そのものを理解しているため、歯ブラシのデザインは大きく影響しないようです。反対に、口腔衛生状態の悪い人に異なるデザインの歯ブラシを使用してもらったところで、格段に良くなることもないようです。

電動歯ブラシはどうか?

電動歯ブラシについてもよく問い合わせがあります。しかし、回転振動式の音波ブラシと手用の歯ブラシの効果を比較すると、実はどちらを使用しても差がありません。それよりも、どちらも適切に行えるかによる差の方が大きいです。

歯間ブラシはどうか?

歯と歯の間が開いてしまっている場合でも、開いていない場合でも、歯ブラシのみでは歯垢除去効果が低いことがわかっています。その欠点を補うために、歯間ブラシやデンタルフロスが推奨されています。実際に歯間ブラシやデンタルフロスを併用した場合の方が、歯と歯の間の歯垢除去率が高まることがわかっています。

まとめ

歯ブラシのデザインによる歯垢除去率には差がないのは事実なのですが、ブラッシング方法による違いはあります。その際に、歯肉のマッサージもすると良いといったお話もあります。けれど、そもそも歯垢が除去されれば歯肉の炎症は消退します。ですから、ブラッシング方法を選択するのであれば、歯垢除去効率を考慮した方がいいです。

そのような意味では、ブラッシング方法に合った歯ブラシを選択すればいいということになります。当院で推奨している歯ブラシの条件は

・ヘッドの小さいもの
・毛の柔らかいもの
・毛の長さが均一なもの
・毛先の太さは普通のもの

です。頭が小さければ狭い口腔内でも振幅が大きく取れます。また、様々に角度をつけやすいです。歯”ブラシ”ですから毛の先端の集まった「面」で磨いてもらうことを目標にしています。

毛先の細い歯ブラシを使って、箒のように払って歯垢を取るようなテレビコマーシャルがありましたけれど、歯の表面は複雑な形状をしているので毛の側面が色々なところに当たっしまうため、そのようなことはほんの一部でしか出来ません。また、細い毛先が歯肉ポケットに入ることもないので、使用する意味がないと思います。むしろ、先端が細い分だけ力が集約されるので、歯肉や歯面を傷めることになります。

また、「面」で磨いてもらいたいので長さの異なる毛がついた歯ブラシも避けてもらいます。

しかし、本質的には歯ブラシのデザインには差がないので、歯ブラシのデザインのお話よりも、ブラッシング方法について多くの時間をかけています。