歯周病の進行と再発

歯周病の再発

細菌叢の構成や宿主の防御メカニズムや感受性は個体ごとに異なる可能性があるものの、惹起される歯周炎には必ず歯肉炎の明らかな兆候が先行します。歯肉炎から歯周炎への移行については、実はまだ科学的に証明されてはいませんけれども、歯肉炎の兆候から歯周炎が発症するという流れである可能性は高いものであると考えられています。

したがって、歯肉の炎症を除去して健康な歯肉組織を保つことが出来れば、歯周病の発症および再発は高確率で防ぐことができると考えられます。また、過去に歯周治療を受けた患者においては、もしくは歯周病の感受性の高いと思われる患者では、適切で定期的なプラーク除去が必要であると結論づけられています。

歯周病の再発

上述したように、歯肉炎から歯周病に進行していくことは現段階では有力な説であり、対策としては歯肉炎を生じさせなければよく、その為にはプラークの除去を行うだけです。しかしながら、ような簡単な原則であっても、それを全ての患者に実行することは容易なことではありません。ただ、ここに専門家によるSPTを定期的に行うことで、やる気の乏しい患者をある程度補うことが可能になります。

ある動物実験では、実験群に毎日の清掃と短期間隔の歯面研磨を行い、対照群には清掃を一切行わなかったというものがあります。この両者には数ヶ月毎に定期的に1ブロックのみSRPを行なっています。この結果はどうであったかというと、もちろん実験群の方は良かったのですけれども、ただ、定期的なSRPを行なった部位に関しては両者とも歯周組織の破壊はさほど顕著ではなかったという報告がされています。

このことは、口腔衛生の水準が適正レベルに達していない者であっても、専門家によるSPTによってある程度は補えることが可能であることを示唆しています。そして、歯根面に対するインスツルメンチェーション後は、歯肉縁下の細菌叢が質とともに量も大きな変化をきたし、疾患に関連する歯肉縁下の細菌叢が再び確率されるのには数ヶ月要するという多くの考えを支持する結果となっています。

それだけでなく、もっと直接的な歯周病の長期臨床研究においては、歯周治療の経過を予後良く保つ為には、SPTが極めて重要であることは既に実証されています。いずれの研究においても、その治療開始時に行われた治療様式がどのようなものであれ、それとは関係なく入念に立案された専門会によるメインテナンスケアプログラムの実行により、口腔内の状況は維持されていることが明らかになっています。

むしろ、重度の歯周病の患者に歯周外科を含む歯周治療を行なっても、定期的なメインテナンスケアを行わなければ、再発どころか歯周病感受性の高い者の自然悪化よりも3〜5倍も再発する可能性が生じるといわれています。ある研究では、歯周治療後にメインテナンスケアを行わずに3年経過したものと6年経過したものを調査すると両者ともに明らかな歯周炎の再発の兆候が確認されたと報告されています。

また、メインテナンスケアの期間に関して、9〜18ヶ月に1回という低頻度の場合では、歯周治療の終了した5年後には、45%の患者が再発傾向を見せたと報告されています。また、メインテナンスプログラムを受け入れなかった歯科医院による報告でも、12ヶ月に1回のメインテナンスケアでは明らかな再発がみられたと報告されています。

これらの研究も含めて、世界中の多くの研究では歯周組織を健康に保つ上では、SPTを拒否したり怠ったりすると、歯周治療を行なっても無効であることが証明されています。

再発リスク要因のうちで意外なもの

歯周炎の再発リスク要因のうちの一つに「リコールシステムによる理解」というものがあります。このことからも分かるように、いくつかの調査によれば、SPTを勧めてもそれに応じている歯周病患者はごくわずかであると言われています。メインテナンスに応じた患者の方が、応じなかった患者よりも歯周疾患の進行リスクは下げられることがはっきりと確認されているにもかかわらず、このような状態が生じてしまっています。術者側の説明責任や理解や取り組みによるところも大きいですが、メインテナンスケアのプログラムに参加している患者と、そうでない患者との性格の違いを調査した結果によれば、プログラムに参加しない患者群は「ストレスの多い生活環境を経験していたり、人間関係の安定性が欠けているという報告がされています。