歯周病の進行と活性酸素

歯周病や歯周炎などの発症・増悪について、活性酸素ROS(reactive oxygen species)が深く関与していることが知られています。

活性酸素

歯根膜中のコラーゲン繊維の表層にはCu・Zn-SODが局在していることが証明されています。リンパ球系細胞が歯周病原細菌と反応するにあたり過剰の活性酸素が産生されするため、それを消去するためにSODが存在しているのではないかといわれています。ただ、その活性は弱く皮膚におけるそれと比べても50%ほどでしかなく、その値はおよそ4U/mgほどだといわれています。

SODとは

SODとはSuperoxide dismutaseの略で、O2-を不均化反応によってO2とH2O2にする酵素であり、いわゆる抗酸化作用を有する酵素のことです。O2-​自体は酵素的な反応を行わなくてもO2とH2O2に化学反応が進みますが、SOD存在下ではその速度が10000倍になるといわれています。SODは3種類あることが知られています。

Mn-SOD
​ミトコンドリアのマトリックスに存在し、細胞壊死因子やインターロイキンなどの炎症性サイトカインにより誘導され、細胞の防御を担っています。

Cu・Zn-SOD
​細胞質の存在します。

EC-SOD
血漿中や血管内皮に存在します。

O2-​とは

O2-​はスーパーオキシドやSuperoxide Radicalなどと呼ばれ、虚血・炎症・放射線などの刺激や生体のさまざまな反応によって常に発生している活性酸素の一つです。これ自体は反応性は強くなく、この反応によって生じるOH-やONOO-が生体にとって問題となることが大きいようです。

活性酸素とフリーラジカル

厳密には活性酸素とフリーラジカルは定義が異なります。

<活性酸素の定義>
反応性に富む酸素の総称。ヒト体内ではO2-、H2O2、HO・、1O2​が問題になります。

<フリーラジカルの定義>
1つの不対電子をもつ分子または原子。ホワイトニングでいわれているH2O2は、実は、厳密にはフリーラジカルではありません。ただ、容易に発生し活性酸素種を発生させるのでこの枠組みに入れられています。

いずれにしても、生体の防御機構を超えるフリーラジカルの発生、いわゆる酸化ストレスがホメオスタシスの破綻を招き、ガンや老化や様々な疾患の原因となり、時には死に至らしめることになります。

有名なものとしてタバコがありますが、このタバコの煙の窒素酸化物が反応して毒性の高いフリーラジカルが発生します。その数は確認されているだけでも3000種類を超えるといわれています。

歯周病と活性酸素

歯周病においては、プラーク中の歯周病原細菌の刺激によって、歯肉リンパ球系細胞から活性酸素を放出し殺菌しようとします。しかし、それが過剰になると周囲の結合組織にあるプロテオグリカンを溶解し病巣を形成してしまうといわれています。そして、プラークの蓄積による圧倒的な菌量の増加もまた活性酸素の組織破壊的作用を助長する形になってしまうことから、ほとんどの場合でSODは間に合わず破壊進行が起こることが示唆されています。

さらに、編成嫌気性菌がもつ内毒素(LPS)も大量に活性酸素を生むといわrています。

これらのことからも、プラーク除去は有意義であり、細菌叢の成熟を防ぐために定期的なポケット内のデブライトメントは有効であると考えられます。