歯科衛生士の仕事

歯科衛生士の仕事

当院は厚生労働省の指定を受けて歯科衛生士専門学校の臨床研修施設となっています。学校の都合により毎回ではありませんが歯科衛生士学校の学生を指導させて頂いております。口腔と全身の関係口腔と全身のメカニズム口腔内の状態と糖尿病についてなどからもお分かりのように、口腔と全身症状との関連は密接に関係があることが示唆されています。このようなことがいわれてきている時流の中、歯科衛生士の役割はとても大きくなってきており、今後も益々その重要性が増すと予想されます。人間が行える医療行為の中で、口腔のみならず全身疾患への予防として、最も影響の与えられる治療になるのではないかとさえ考えています。その一方で、歯科衛生士と歯科助手の業務が曖昧な歯科医院も未だに多く、歯科衛生士自身もそれを甘んじて受け入れている場面をよく見かけます。

「同じことをやっているのに給料がちがうのはなぜだ」と歯科助手から訴えがあって困ったなどという話を知り合いの院長先生からよく聞くのが現状です。たしかに、私が以前勤めていた法人でご一緒させて頂いた歯科助手さんが、あるドクターの開業のオープニングスタッフとしてついて行ってから数ヶ月後に「スケーリングが難しいんですけど、どうやったらいいんですか?」と質問をしてきたこともありました。歯科助手経験があり歯科衛生士専門学校に入り直すことに決めた方と話すと、「スケールングとかインレーの調整が楽しかったから衛生士になりたくなった」と言う方もおられて驚くことがあります。

学生の数の減少や生徒の感覚に合わせて教育機関も大きく方針を変えているところもあるようで、しかし教える側はそのように育ってきたわけではありませんから、まだまだ混乱している様子があります。当院では開業当初から歯科衛生士業務の重要性を伝え続け、基本に忠実な診療を徹底してもらっています。基本を突き詰めることによってその習熟度が変わります。その結果、応用のような熟達が生じます。それにより、あれこれと即日発行のされる資格を取り漁るような者よりも応用の効く実力を身につけてもらうことが出来ました。もちろん、本人の努力があってのものです。

当院では臨床実習にお越しになられた学生さんにも、実習を終えて当院を離れた後にも影響を与えられるように様々なことを考え実施しています。それらのことが、彼女たちが行く先々で患者様へのメリットを生むと考えているからです。残念ながら、そこまでのことは学校では教わることは出来ないようで、学生気分で実習を開始した時とは比べものにならないくらい、修了時ではまるで別人のように変わる生徒さんがたくさんいます。卒業後も一生懸命に働く様子を報告してきてくれる人もいますし、悩みを相談に来てくれる人もいます。影響が与えられるように苦労した甲斐があったなと思う瞬間です。

そこで今回は、歯科衛生士の仕事において重要なことは何であるかをみてゆこうと思います。

歯科衛生士と歯科助手の違い

私は、何をやっているかということよりも、どのようにやっているかの方がはるかに重要だと思っています。ですから、どの職種に優劣があるという目線ではなく、どう振る舞っているかの方が大事だと考えます。歯科医師よりも歯科衛生士または歯科助手が患者様の悩みに寄り添い解決に導けること問題なく可能だと考えます。以前、ある歯科医師が「自分はドクターなのだから、他のスタッフと同じような扱いをするのはやめてくれ」と言っていました。その者は診療時刻に遅刻することを繰り返し、上手くいかなければ舌打ちをし、患者様の反応が気に入らなければ道具を叩きつけ、スタッフを怒鳴りつけて泣かせるようなことがあったようです。課した書籍を読み込んで来ることはついにはなく、カードローンの会社からそのクリニックに封筒が届くようなことにまでなったそうです。格別の扱いを受けたければ、自身が格別の存在になることを考えるべきです。役立つ権利をもらうために資格を取っただけで、自分を高く売りつけるために資格を取ったのではなかったはずです。この話で、どう振る舞うかがいかに大事であることがお分かり頂けるかと思います。

歯科衛生士と歯科助手の業務の違いについて触れてゆきますが、仕事内容に差があることを言いたいのではありません。どのように行っているのかが重要であることはくれぐれも忘れずにお読みください。

歯科衛生士は歯科衛生士法204号で定められた国家資格を有すして医療行為を行う者です。厚生労働省指定の養成所などによる3カ年の就業年数を要し、93単位2570時間以上を必要とします。そのうち20単位900時間を臨床時実習を含みます。そして、それらを履修して卒業後に国家試験に合格したもののみがその職に就くことが出来ます。その資格の定義については歯科衛生士法第一条と第二条に記載されています。歯科衛生士法第二条による歯科衛生士業務により、主な業務は歯科診療補助・歯科予防処置・歯科保健指導とされています。

一方、歯科助手は法的な基準はなく医療行為を行うことはできません。事務的なことや受付業務など患者様の近いところで見守るという医療を提供する仕事になります。

歯科衛生士に最も必要な『倫理的配慮』

歯科衛生士に求められる最も重要な素養は、「基本的な価値基準」と「原則の倫理的配慮」になります。これはむしろ資格といっても過言ではないでしょう。「基本的な価値基準・原則の倫理的配慮」とはどのようなものであるかというと「自主性」「善行」「有害事不実行」「公平」「機密性」「正直」「誠実」などの項目があります。今後、これらの項目について詳しくみてゆこうと思います。