白い歯とアンチエイジングの関係とは

アンチエイジング

白い歯は萌出直後や若い時の歯を思い出させ、年齢とともに変化する歯の色を自覚するようになるにつれて、人は白い歯と若さを連想するのではないかといわれています。そして、多くの人たちが白い歯とアンチエイジングとの関係はとても強いと感じているようです。

人は若い頃の自分の歯の色が、明るくて半透明で黄色味のわずかにかかる輝かしい乳白色であったことを記憶しています。歯の表面は滑沢で艶があり、綺麗な形状をしたものであったことを認識しています。

若くして残念ながら黄ばんだ歯をしている人であっても、メディアに出るタレントの美しい歯や歯並びを観て、それに憧れるようになります。

ところが、

現実には時間の経過とともに齲蝕や歯周病に罹患し、修復を繰り返し、着色が生じます。それらのことに注意したとしても、経年的に歯の変色や形状の変化が生じます。

歯の変色には”使用感””疲れ””不養生”などのイメージもこびりつくのかもしれません。

そこで今回は、アンチエイジングと白い歯の関係をみてゆきたいと思います。

中年以降の歯は・・・

中年以降になると歯には、エナメル質の磨耗・切縁や咬合面の咬耗・歯肉退縮・亀裂や亀裂に入り込んだ色素・明度の低下・彩度の低下などが観察されるようになってきます。

その結果、歯がグレーがかってみえたり、黄色くなったように感じられてきます。

このような歯の変化に伴い、顔貌の変化・姿勢やプロポーションの変化・体重・体力の低下なども生じて、衰えをより強く感じるようになります。そして、何よりも、自分の容姿を気にしなくなったり、諦めてしまったりしてしまうという気力の変化または衰えが大きな問題のように感じられます。

容姿と同じく、皮膚の色と同様に、歯までくすんでしまえば、その容姿からは老化を連想せざるを得なくなってしまいます。

アンチエイジングと白い歯については、せめて歯が白ければ若々しく健康的な自分に戻ることができるという期待が生まれ、それらを関連づけて想像させてくるのかもしれません。

加齢による歯の変化

健康な状態の歯では、半透明のエナメル質を透過して淡黄色の象牙質が透けて見えることで歯の色調は認知されます。

萌出直後の歯はエナメル質内のアパタイトが未成熟であるため、光の屈折率は高く光が拡散されて乳白色に見えます。また、象牙質の淡黄色がエナメル質の乳白色にマスキングされて、歯は明度の高い乳白色に認知されます。

しかし、加齢によって歯は黄色く変色し、明度も彩度も下がってゆきます。一般的に言われている加齢による歯の変色は以下のようになります。

1:色素の侵入
咬合や咀嚼によってエナメル質表面に微細な亀裂や咬耗などが生じてきます。これらの歯質の損傷部は、その到達深度が象牙質にまで及ぶと視認しやすくなりますが、当然見えなくても生じていることはあります。

これらの損傷部に、歯ブラシでも解決出来ないような色素が侵入し変色します。

2:エナメル質の変化

加齢とともにエナメル質では次のような変化がみられるようになります。

・エナメル質唇面の菲薄化
・アパタイト結晶の成長
・光の拡散から透過状態への変化

これらの変化により、象牙質の色が黄色く見えるようになってきます。

3:外因性因子

飲食物の色素、嗜好品の色素、タバコのニコチンやタール、口腔清掃状態の悪化にともなう細菌性の色素などがブラッシングによる除去が不可能なほど強固に着色し色がくすんで見えるようになってきます。

4:内因性因子による変化

エナメル質の菲薄化や知覚過敏などの外部刺激によって第二象牙質が新生されることがあります。この第二象牙質の新生の時期にテトラサイクリン系薬剤の服用を行うと、さらにその状態でUVに影響を受けると歯の色の明度が下がります。

加齢による変化によって、中高年に見られる歯の外観は上述1〜4が組み合わさって特有の外観が示されるようになります。

ホワイトニング効果の研究では・・・

中高年者に対するホワイトニング効果の研究では、若者に対して高齢であるほど歯の色調変化は緩やかではあるけれども、時間をかけると最終的に到達する明度は若年者の治療効果と同等になるという報告がされています。

これらの効果の現れ方は、加齢による変化だけでなく、今まで重篤とされ敬遠されてきた対象にも共通点がみられます。つまり、時間をかければその多くの場合に改善が見られるということです。

米国においては自分の白い歯を健康的で若々しく、好ましいものとして受け入れる価値観を既に持っています。それに対して、日本でもホワイトニングは次第に認知されるようになってきておりますが、価値あるものだという文化が形成されるにはもう少し時間が必要になりそうです。しかし、それでも、なんらかの形で自らの歯の審美性の向上に興味を持つ人が増えてきています。

ホワイトニングは単純に歯を白くするだけではなく、副次的な効果として口腔衛生状態の向上や、自身の歯への関心の高まりを促進します。さらに心理状態も若々しく清潔で健康的な願望を保ちたいというアンチエイジング的な志向の高まりも促進するようです。

若々しさ、健康的な生活を志向して歯科受診の機会を増やすことはいいことだと考えます