矯正歯科の道具 ~ヘッドギア~

海外ではステータス

矯正歯科治療では歯に着ける装置やワイヤー以外にも、いろいろな装置を用います。その中でも使用頻度と問い合わせが多いのがヘッドギアです。日本ではあまり馴染みがないようなのですけれども、海外では十分に認知度があります。ヘッドギアを着けることは歯並びに関心のあるしっかりとした家庭であるという意味にさえ捉えられるようです。比較的有名なものにアニメーション映画で脇役の女の子が歯科クリニックに来院するシーンがあります。歯科クリニックの存在する街は比較的都会で、クルーザーがたくさん駐めてある湾のある、いわゆるセレブな街のシーンです。こういったことからも、ヘッドギアは海外の一部ではその着用や矯正治療を行うことがステータスであるという認識です。なので、使用人数はとても多く、着用したまま外出し、部活動をする学生もいます。ですから、年間に4、5件、このヘッドギアによって眼を損傷する事故が起きています。事故の報告は悲しいことですが、それくらい使用されている装置であるということでもあります。

ヘッドギア 小児用

ヘッドギアは何をするものか?

主に、小児矯正治療において上顎前突の場合に多く使われます。通常の装置とワイヤーのみによる矯正治療では歯を後方に移動させることが出来ません。例えば、上顎前突の場合、上顎第一大臼歯が前方へ移動してきてしまっているので、後方へ戻す必要があります。その際の動きを起こさせるものがヘッドギアです。ヘッドギアによって次のような治療効果が望めます。

・上顎前突の改善
・ガミースマイルの改善
・上顎前突の治療の補助
・上顎歯列弓の側方拡大

これらは裏を返すと上顎前突の特徴そのものなので、これらの改善のために古くから用いられている道具になります。ただし、通常、上顎第一大臼歯の後方移動は起こりにくいか、後方移動のみでは上顎前突の改善は出来にくいです。

ヘッドギア 大人用

ヘッドギアの特徴

ヘッドギアを使用する際には、まず第一大臼歯に専用のチューブを装着します。このチューブは通常の矯正治療で用いられるチューブやコンバーチブルなチューブとは異なり、フェイスボウの橋を入れるためのチューブが別個でついています。ヘッドギアチューブが2つ並んだ構造で作られています。

ヘッドギア本体は大まかに次の3つから構成されています。

・ヘッドキャップ
・スプリング
・フェイスボウ

ヘッドキャップはヘッドギアの一端を後頭部から首にかけてのどこかを覆うような形のものです。ファイスボウは上顎第一大臼歯に取り付けられたチューブにその一端を差し込んで使います。そして、ヘッドキャップとフェイスボウを連結するものがスプリングです。このスプリングがあるおかげで、外力が加わった時に外れてくれます、それによって、先述した眼の損傷リスクを下がられるようになります。

ガミースマイルの改善にはマウスピースのような装置にチューブが取り付けられているものを使用します。そのマウスピースを歯にはめ込んだ状態でフェイスボウをツーチに通して使用します。

ヘッドギアは長時間の使用が必要とされています。しかし、なかなか装着出来ない人も多いのが現状です。その点をカバーするものがインプラントアンカーになりますが、その適応は年齢などに限りがあります。そのような点においては、ヘッドギアは大人でも使用できるので非常に応用のきく道具になります。