血糖調節 〜視床下部〜

視床下部

血糖値を下げることの出来るホルモンは、膵臓から分泌されるインスリンのみです。一方で、血糖値を上昇させるものは自律神経やホルモンや糖新生など多くの種類の作用が関与します。

今回は、その多くの上昇因子の中から「視床下部」によって行われる血糖値の調整についてお話しします。視床下部が行う血糖値の調整は主に自律神経の働きとホルモンによる作用になります。

ホルモンによる調節

血糖値の上昇に関与するホルモンは以下の通りです。

1:成長ホルモン
2:副腎皮質刺激ホルモン
3:甲状腺ホルモン
4:グルカゴン
5:アドレナリン
6:ノルアドレナリン
7:コルチゾール

低血糖状態になると、最初に副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)と副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が働きます。

副腎髄質ホルモンは視床下部から交感神経に信号が送られると副腎髄質が刺激され分泌が促されます。血液中に入ると、末梢では交感神経の神経伝達物質として、脳内では大脳辺縁系と自律神経の神経伝達物質として、前頭葉では特にノルアドレナリンが神経伝達物質として働きます。また、副腎皮質刺激ホルモンやコルチゾールによってもその分泌が促されることがあります。

低血糖やストレスなどによりアドレナリンやノルアドレナリンの濃度が上昇すると、脳内では大脳辺縁系が興奮し、前頭葉が麻痺します。特に前頭葉は人格に関与する部分ですので、大脳辺縁系の興奮と相まって感情興奮が抑えにくい状態などが生じることもあります。また、低血糖時では大脳皮質は機能低下が生じているので尚更のことになります。

また、この時は交感神経が興奮している状態ですので、頭痛・動悸・発汗・吐き気・顔面蒼白・胸痛・立ちくらみなどのいわゆるショック症状にも似た症状が現れることもあります。

自律神経による調節

低血糖状態では、それを認知した視床下部が脳内の自律神経の中枢に指令を出します。これにより、交感神経が刺激され、副腎髄質ホルモン及びグルカゴンが分泌されます。その結果、血糖値が上昇します。

また、血糖値が下がっている状態では視床下部は副交感神経を介して摂食中枢を刺激します。これにより甘いものが食べたくなったり、夜中に過食を起こすなどの行為が起こります。

高血糖時では副交感神経が刺激され、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞よりインスリンが分泌されます。このことにより血糖値は下降します。

この血糖値が高い状態では視床下部は交感神経を介して満腹中枢を刺激します。これにより食欲が低下します。