鉄欠乏性貧血

鉄の代謝

***では、鉄の代謝に関連して吸収とその阻害要因などについてもお話ししました。

鉄の吸収が低下、または喪失の増大、もしくはその両方が生じた場合、鉄欠乏性貧血が生じます。貧血という名称のイメージと、「たまに立ちくらみはするけれども、ヘモグロビンの値は正常だったので特に何もしていません」「健康診断では正常だと言われました」という助言により対処していない方が多いです。

しかし、鉄欠乏性貧血には立ちくらみ以外にも様々な問題を身体に引き起こすことがわかっています。

鉄欠乏貧血の症状

自覚はされにくく、あるいはまさか鉄欠乏による症状ではないと考えられているものもあります。たとえば、

・疲れやすい
・注意力の低下
・頭の中で足し算がしにくい
・はっきりと考えられない
・昨晩のメニューが思い出せない

などの状態にも関与します。その他のものには

・立ちくらみ
・めまい
・風にかかりやすい
・うつ、無力
・イライラしやすい
・胸が痛む
・走ると息切れする
・まぶたの裏が白い
・むくみがある
・湿疹がでやすい
・肩こりがある
・便秘もしくは下痢になりやすい
・喉に何かある感じがする
・鼻炎が続く

という身体的な症状もみられます。また歯科においては

・食欲不振
・異食症

でありながら、清掃状態が落ちにくい時でも

・歯茎の出血
・口角炎

などが生じる場合は注意が必要です。

見た目の身体症状などには

・抜け毛がある
・顔が青白い
・爪が光沢がなく平ら
・爪の先端を曲げられない

といったようなものもみられます。

しかしながら、これらは鉄分の不足によって生じる反応です。

鉄の欠乏は酸素を運ぶヘモグロビンの不足を招きますが、これにより
身体中の組織には十分な酸素を運べなくなります。

酸素欠乏は筋肉の疲弊を招き、
酸素欠乏の脳は鋭敏さの減少、忘れっぽさなどをもたらせます。

これら欠乏症とは違い、
鉄摂取の過剰では生じないものばかりです。

鉄欠乏症の段階

・第一期:前潜在性鉄欠乏貧血
肝臓・脾臓・骨髄などの貯蔵鉄が失われます。
血清フェリチンは120ng/ml

・第二期:潜在性鉄欠乏貧血
貯蔵鉄が枯渇した後に生じます
血清鉄が減少し、トランスフェリン濃度が上昇します。

・第三期
ヘモグロビン合成が障害される
・Hb,Ht,MCV,MCH,MCHCなどが減少する