血糖値について

血糖値

かつて歯周病は糖尿病のリスクファクターであると考えられていましたが、歯周病のメカニズムの解明が進むにつれてその炎症作用が糖尿病の症状の悪化にも関与していることが指摘されてきています。また、歯周病だけではなくその他の疾患との関連についても様々な報告がされてきています。そこで、血糖値のメカニズムを把握しておくことは巷に氾濫している様々な情報に振り回されないためにも、もはや必須条件であるといってもよいのではないかと思われます。今回は、糖尿病だけでなく近年では”血糖調節異常”なども問題となっている血糖値についてお話ししてゆこうと思います。

血糖値のメカニズム

ヒトの血糖値は、食物の多様性や断続的な摂取方法であるにも関わらずほぼ一定の範囲内に保たれています。一般的に健康な状態であれば空腹時の正常値は80~100mg/100mlとされていて、食事をすると30~60分後に120~140mg/mlにまで上昇する動きをみせます。そして、1~3時間後には再び空腹時の値に戻ります。

通常、血糖値は60mg/100ml以下には下がることはなく、140mg/100ml以上にも上がることはありません。

血糖とは血液中の糖成分をいいます。その構成はほとんど全てがブドウ糖であり、この血糖が全身に運ばれて酸化分解されることでエネルギーを産生、またはタンパク質や脂質の合成材料になるなどの働きをしています。

血糖が一定に保たれるためには、各合成材料としての消費に対して肝グリコーゲンなどから補給が行われなくてはいけません。血糖値が低下すると肝グリコーゲンの分解・アミノ酸、脂肪、乳酸からの糖新生によりグルコースの供給を行われます。血糖値が上昇すると解糖が進みグリコーゲンを生成するなどで血糖を制御します。これらは神経中枢に感知された下垂体が刺激されることで起こります。血糖の上昇過程においては、満腹中枢が刺激を受けて行われ、下降過程においては空腹中枢が刺激を受けて行われます。これらの働きにより、各種ホルモンの分泌量が調節されることによって行われます。また、その他の内分泌器官から分泌されるホルモンの協調作用などによっても行われます。

血糖値を調節するホルモン

血糖値を上昇させるホルモンは
・グルカゴン
・アドレナリン
・糖質コルチコイド
・チロキシン
・エピネフリン
・成長ホルモン
などが挙げられます。これに対して

血糖値を下げる作用のあるホルモンはインスリンのみであるといわれています。

糖の取り込み

細胞レベルでの糖の取り込みについてはいくつかの経路があります。一つはNa+糖共輸送担体という糖輸送担体タンパクによって行われます。これはNa+依存で糖の濃度匂配に逆らって行われます。もう一つは促通拡散型糖輸送担体(GLOT)と呼ばれるもので、濃度匂配に依存して行われます。この性質は高カロリー輸液などで血糖上昇がみられる場合などに、GLOT1やGLUT3の生合成が急増することで観察されます。このことより、糖の過剰摂取が糖の細胞内への取り込み量を増やし、障害的に作用させる原因になるのではないかといわれています。

低血糖について

脳の活動エネルギーはその多くがグルコースに依存しているといわれています。そのため、血糖の減少に対しては脳は敏感に反応するといわれ、血糖値が50mg/dl以下になると脱力感・めまい・四肢のふるえ・動悸・
痙攣など様々な症状をきたします。これには個体差があり80mg/dl程度でも低血糖症状が出現する人もいるようです。

ただ、血糖値の調整についてはジャンクフードの過剰摂取や自律神経の異常などによってホメオスタシスが破綻している場合はこの限りではありません。典型的な低血糖症状だけでなく、低血糖による脳のエネルギー不足による機能障害にも範囲を広げて対策をしてゆく必要があるといわれています。