L*a*b*表色系とは

L*a*b*表色系

歯の色の判別の問題点

歯の色の見え方は、一般的な物体色の見え方とは大きく異なります。歯の色には滑沢性や透明性、部位のよる色調の相違、同一歯または臨在歯とのコントラスト、粘膜の厚みや赤みなども大きく関与します。

これらの要因は歯の色を機械で計測することを難しくしています。特に個人差もある歯の表面形状やエナメル質の透過性、エナメル質や象牙質の組織構造などはん非破壊的には外部から判断がつきにくく、測定を困難なものにさせます。

また、口腔内で実際に歯の色を計測するには、センサーの大きさや環境光の問題がありますし、歯には完全な平面がないために部位によってはセンサー光軸の垂直性が保てないというようなことも機械による測定を困難にします。

さらに、歯に入射した光は一部は表面で反射し、一部は内部で拡散され、一部は吸収されますが、これは歯の構造や色調により異なるばかりか、センサー自体の影の影響もその透過率に影響を及ぼす可能性があります。そして、いわゆるラバーダムホワイトニングというわれる歯の乾燥状態も色調に影響を及ぼします。

これらのことより、機械的に L*a*b*数値だけで歯の色を把握することは困難となりますが、現状では歯の色の表示方法として広く用いられているのが L*a*b*表色系です。これにより、直感的に数値により色の類推や色差を算出することが行われています。

表色系とは

CIE(Commissinon internationable de leclaiage)による表色系には、まずRGB表色系というCIExyz色度図、原色をR・G・Bとするものがあります。色知覚を近似できる表色法ですが、定められたのが1931年ということもあり、その当時では存在しなかったレーザー光の単一波長色は色空間から逸脱しています。

XYZ表色系において、Yは明度、Zは青みの度合いを表し、この両者以外の要素をXで表しています。これから派生した表色系にxyY表色系があります。これはXYZ表色系の数値と色の関連の複雑さを解消することが目的として考案されています。xとyの色度座標における二次元平面とYの明度を用いたものにより、全ての色が表現できるようにしてあります。

L*u*v*表色系はCIE(国際照明委員会)によって1976年に均等色空間のひとつとして定められました。CIELUVは光の波長を基礎にXYZ表色系のxy色度図の波長間隔の均等性を改善したものです。日本ではJIS Z8518に規定されています。

L*a*b*表色系は1976年に勧告され、日本ではJIS Z 8729に規定されています。

これは感覚量と数値が比例するように作られた等歩知覚色空間で、XYZ表色系から色差を求めるためのものとして考案されたものです。

3つの軸が立体的に直交する色空間があり、これにCIEが修正を加えたものになります。これが色度図と異なる点は、知覚できる色のR-G、Y-Bでa*軸やb*軸を表示することが出来るため、3つの数値からおおよその色が推定できるということです。この直感性と色差を算出することによりあらゆる色を三次元ベクトル値、色空間内の位置として表現出来るようになります。

L*は明度を表しL軸になります。R-gのa*軸とY-Bのb*軸になります。これらを利用した計算式で色差ΔEを求めます。

色差とは

CIE L*a*b*空間内の2点間距離を色差といいます。ある色と他の色との差を知るために、L軸・a*軸・b*軸の差をそれぞれ二乗し、それらの和の平方根で計算します。

NISTが提示している色差と感覚的表現によると、ΔEが2以上の時に異なる色として知覚されるとしています。

ホワイトニングにおいては、色差ΔEの数値により以下のような判断を行います。

・色差2〜3:効果がわずか
・色差4〜6:有効
・色差7〜9:十分なホワイトニング効果あり
・色差10以上:著名なホワイトニング効果があった

このような明確な基準を用いることは、ホワイトニング効果の予測やEBMの対応にも有効だと思われます。